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【医師に聞く】汗っかきさん必読!多汗・汗の臭い…汗のお悩み解決法


【医師に聞く】汗っかきさん必読!多汗・汗の臭い…汗のお悩み解決法


 

【医師に聞く】汗っかきさん必読!多汗・汗の臭い…汗のお悩み解決法



 




 




「汗っかき」は体質?その原因となる要素







汗ばむ季節まっただ中の今、皮膚科専門医である脇田加恵先生に、さまざまな角度から「汗」に関するお悩みやトラブルについて詳しく伺っていきたいと思います。



脇田先生、まずお伺いしたいのは、同じ人間であれば「汗をかくシステム」は同じであるはずなのに、汗っかきとそうでない人とがいると思います。その差を生む原因には、どういったことがあるのでしょうか。



「汗は『体温調節』や『緊張』などでたくさんかく汗、『肌を保湿するため』など気がつかない程度に自然にかいている汗があります。



体温調節のためにかく汗は暑い場所にいたり、運動をして体温の中でも主に脳温(深部温)が上昇すると、それを下げるために発汗が始まります。中でも、肥満があり皮下脂肪が厚いと、熱がこもりやすいため発汗が多い傾向にあります。



『緊張』など体温と関係のない誘因でかく汗では『血液の浸透圧(血液が濃い・薄い)』によっても発汗の量は変わり、脱水などで血液が濃くなっていると汗の量は抑制されます。そのほか『血糖値』『性ホルモン』によっても影響されます(※1)」(脇田先生)



血液の濃さなども、汗に影響しているとは驚きました。


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「汗の量」は年齢や男女で変わる?







「また、汗の量は『年齢』や『性差』などによっても異なります。



*年齢差

12歳以下の小児では汗腺の成長が未発達であり汗をかきにくいのですが、成長とともに、大人と同じように汗をかくようになります。

ところが、加齢とともに汗腺の大きさは小さくなるため、年齢が高くなると深部温(脳温)上昇に対する発汗反応が弱くなり、再び、汗をかきにくくなるといわれています。



*性別

性別でも汗の量に違いがあります。女性は男性に比べて汗腺のサイズが小さく、発汗を促す神経システムが鈍いため、1汗腺当たりの発汗能力が弱いと考えられています(※2)。



*病気

全身の多汗症は体質だけでなく、『甲状腺機能亢進症』や『更年期症状』といった病気や不調に伴って生じることもあります。『このところ急に異常な汗をかくようになった』という場合には、病院に相談してくださいね」(脇田先生)



汗のかき方の違いには、目に見えない病気が絡んでいることもあるのですね。体質だからと油断せずに、体の健康についても注意していきたいと思います。




 




シチュエーションによって汗の場所が変わる?







ところで、先生、緊張すると手汗がひどいなど汗をかく状況によって汗をかく場所が異なるようにも感じるのですが、そういったことは医学的にも考えられますか。



「緊張などでかく『情動性発汗』と呼ばれる汗は『顔』『ワキの下』『手足』などにかきやすく、時に『背中』『胸』『額』などへの大量の汗(本来は、温熱性発汗:上昇した体温を下げるための汗)を伴うこともあります。



また、汗の腺のある密度や発汗のしやすさには部位による差があります。『手のひら』『足の裏』『額』では汗腺の密度が高く、汗をかくスピードも早いです(※2)」(脇田先生)



確かに暑い中、掃除などをしていると額からすぐに汗が出てきます。



「また、『額』『背中(特に背骨当たり)』は汗をかきやすい場所なのですが、それはその部位の発汗によって冷却することが、体温を下げるために効率が良いからと考えられています。ですから、体温の上昇などでかく汗は、額や背中などが多いといわれています」(脇田先生)




 




「汗をかく場所」は年齢で変わる?




30〜40代を過ぎた頃から、頭から垂れるような汗をかくようになった、顔に汗をかくようになったなど、年齢とともに汗をかく場所が変わるのでは?と話題になることがあります。医学的に、そのようなことはありえるのでしょうか。



「年齢により、汗をかきやすい場所が変わるというデータはありませんでした。



そのことから、汗をかく場所は大きくは変わっていないのですが、お化粧をしていること、ヘアスタイルを整えているなどで、それが汗により乱れることで気になりやすくなっている可能性もありますね」(脇田先生)



加齢に伴って若い頃以上に、お化粧崩れなどを気にして汗を意識することによる影響が大きいようですね。




 




加齢とともにベタベタ汗になる?サラサラ汗にする方法







脇田先生、同じ汗でも、若いスポーツ選手などがかく汗は臭いも少なくサラサラしたような汗であるのに対し、30〜40代以降の一般の人の汗はベタベタして臭うような汗に変わってしまうように感じます。年齢によって、汗が変わることはありますか。



「汗は、暑いとき、運動したとき、知らないうちにかいている汗など種類があります。それによって汗の性質は異なり、また人によっても違います」(脇田先生)



人によって汗の性質が異なるとは、具体的にはどういった違いですか?



「アスリートなど、普段『汗をかく訓練がされている人』は、体温の上昇により急速にたくさんの汗をかくトレーニングができています。

そういう人がかく汗というのは、普段『汗をあまりかかない人』がかく汗よりも、『サラサラな汗(汗と一緒に放出されるナトリウムなどのミネラル分が少ない汗)』が出るといわれています」(脇田先生)



部活動などで活発に運動していた若い頃のサラサラ汗と運動をしなくなったアラフォー世代のベタベタ汗との違いは加齢によるものというよりも、「汗の性質」の違いによるものだったのですね。



「この汗の性質というのは、体の疲れなどにも影響します。それは汗と一緒に放出されてしまう『ミネラル』というのは、体の調子を整えるような働きを持つため、それらが汗とともに大量に体外に出てしまうと、体の疲れなどを感じやすくなるからです。



したがって、アスリートの方はもちろん、一般の方であっても、継続的な運動などで汗をかく訓練をして、いかに『サラサラの汗』をたくさんかいて、体温上昇による運動能力の低下を抑え、大切なミネラル分が汗から漏出することを減らすかが、バテにくくするための秘訣となります(※2)」(脇田先生)




 




汗が臭う原因とすぐにできる有効対策







ここからは、汗の臭いについて教えていただきたいと思います。以前からちょっと不思議に感じていたのですが、同じ汗であるのに、例えば、ワキの下と足の裏では臭いが違うと思います。これにはどういったことが関係しているのですか。



「実は、『汗単体の臭いはほとんどない』とされています」(脇田先生)



汗に臭いはないのですか!では、どうして汗が臭うのですか?



「汗がなぜ体臭となって臭うかというと、体臭とは、主に『汗』や『皮脂の分泌物』、『角質』などが『皮膚の常在菌によって代謝されて発生するもの』だからです。



体の部位によって『汗の腺の種類』や『皮脂腺』が異なり、『皮膚に分泌される成分の組成』や『常在菌』が異なるため、『頭』『わきの下』『足の裏』など体の部位によって臭いが異なります」(脇田先生)



なるほど!



「汗のかき始めは『ツンとした臭い』ですが、汗をかいたまま時間がたつと、時間とともに変化していきどんどん臭いが濃くなるので、『早めに汗をふき取ることが臭わない秘訣』ですね。また、これらの臭いは加齢に伴い変化していきます(※3)」(脇田先生)



脇田先生には「加齢に伴う臭いの変化」について、さらに詳しくお伺いしたいと思います。




 




女性にも加齢臭がある?加齢臭とSWEET臭との関係







先ほど、加齢に伴って臭いが変化すると教えていただきましたが、男性に限らず、女性にも加齢臭やミドル脂臭があると聞きます。その辺りを詳しく教えていただけますか。



「『加齢臭』や『ミドル脂臭』は中年男性に特有な臭いとされがちですが、実はその分泌は『男女に差はなく、年代差も少ない』のです。



それにも関わらず、40歳以上になると臭いが目立ってくるといわれていますよね。そのことについて、最近になって、それは若年者特有の『 SWEET臭(ラクトンC10,C11)』『若く感じる臭い』が減ることによると分かってきています(※4)」(脇田先生)



加齢臭などは、加齢によって独特の臭いが増えるものだとばかり思っていましたが、実際には、若く感じる臭いであるSWEET臭が減ることによるものだったとは、驚きです!



「加齢で『SWEET臭』が減っている状況に、加齢臭の原因である『ノネナール臭』やミドル脂臭の『ジアセチル臭』が増えてしまうと、それらの方が打ち勝ってしまい加齢臭などがより臭うようになってしまいます。ですから、汗を小まめに拭き取るといった『汗のケア』をすることが、とても大切ですね。



ちなみに、加齢によって減少してしまう『SWEET臭』を増やすことは、残念ながら今はまだできません」(脇田先生)



SWEET臭を補うような医療技術やアイテムが開発されるまでは、女性であってもデオドラント機能がある汗拭きシートなどを活用して汗対策をしっかり行っていきたいと思います!




 




多汗症とは?症状や判断基準







これまで汗について教えていただきましたが、汗が人よりも多い「多汗症」と呼ばれるものがあると聞きます。多汗症と判断できる目安や特徴などについて教えていただけますか。



「医学的にも、『多汗症』については、やや漠然としていて『仕事や社交面で不自由さを感じてうつ傾向になり、さらに頻回の着替えなどによりQOL低下につながるような発汗亢進状態』とみなされています」(脇田先生)



治療が必要と考えられる具体的な症状などについて教えていただけますか。



「まず、『すぐの治療が不要と考えられる症状』についてお伝えすると、『汗が異常に多いと感じるようになったのが25歳以前』『左右対称に汗をかく』『睡眠中は汗が止まっている場合で日常生活に支障がない』ということがあげられます。



反対に『一度、受診が必要と考えられるケース』は、『ここ最近、急に異常な汗をかく』『明らかに左右対称でない』などといった場合で、『病気に伴う多汗症』や『更年期等の女性ホルモンの低下』の可能性もありますので、医療機関を受診することをおすすめします」(脇田先生)



隠れた病気の可能性もあるとは、注意をしていきたいと思います。



「特に病気ではないけれど人よりちょっと汗をかきやすい、いわゆる『汗っかき』さんは『軽度の体質的な(原発性)多汗症』であったり、『肥満』に伴うことが多く、その場合も日常生活に支障がなければ治療の必要はないケースがほとんどです」(脇田先生)




 




私ってワキガかも?その特徴や症状







夏場など、誰でも汗の臭いが気になりますが、普通の汗の臭いなのか、ワキガなのか、自分では判断が難しいように思います。ワキガの特徴や症状などについて、教えていただけますか。



「汗をかいて時間がたつと、だれでも多少のワキの臭いはあります。



魅力的な方に多いといわれるものの一般的に不快な臭いとされている『ワキガ(腋臭症:えきしゅうしょう)』は、実は、慣れや個人的趣向もあり、体臭ときっちり区別することは難しいです。男性よりも女性の方が気にしやすい傾向があり、治療を希望される人が多いです」(脇田先生)



医学的に、明確な区別があるわけではないのですね。



「病院などであれば、『ワキガ(腋臭症)』であるかどうか診断することができます。その方法は『ガーゼテスト』といって、ワキガーゼを挟んでしばらくおいて『医師らの臭覚で5段階に分類し評価する』というものです。



ただ、ワキガの治療を希望される患者さんの中には、実際はほとんど臭いがなく、自分の臭いに過剰に反応したり、自分は臭いと思い込んでいる『自己臭恐怖症』である場合も稀にあります。いずれの場合も、その人の臭いの程度や症状にあった治療を行います」(脇田先生)



汗の臭いのことで悩んでいるのなら、まずはクリニックに相談するのが賢明ですね。



「そうですね。なお、『ワキガ(腋臭症)』は『遺伝性』があり、家族の方に同じように臭いの強い方がいるかどうかも判断の目安になります。



また、『ワキガ(腋臭症)』の方の95%以上に『湿性耳垢(耳垢がべとべとしている)』があることも分かっているので、その有無も診断の参考にしています。最近では、この湿性耳垢も遺伝性であるため、その遺伝子である『ABCC11遺伝子』を調べて診断することも試みられているんですよ」(脇田先生)




 




汗で悩む方に!クリニックで受けられる治療法・お薬







汗が特に気になる方、多汗症など汗で本当に悩んでいる人のために、最近のクリニックで受けられる治療法やお薬などついて教えていただけますか。



「個人の症状や病院によって異なるので『多汗症』など汗の治療の中でも、代表的なものをご紹介しますね。



■全身の汗を減らす飲み薬による治療

*交感神経抑制剤『クロニジン(R)』、抗コリン剤『プロバンサイン(R)』など



■緊張などで手足やワキなど限局して多汗の場合

*不安を和らげるお薬『抗不安薬』の服用



*汗をかく局所に『医療用の制汗剤の塗布』

『塩化アルミニウム』、『乳酸カルシウム』を塗布することにより汗の入口をふさぎ、発汗を抑えるのが主体です



*『イオントフォレーシス』

汗の多い部位を水道水に浸し、電気を流すことで『電気分解された水素イオン』が汗の分泌腺に作用して発汗を抑えます。最近では簡易的な道具の販売もあるようですが、基本的には『数週間に1回の通院加療』が必要です(保険適用)



*『ボツリヌストキシンの注射』

『発汗抑制作用のあるボツリヌストキシン製剤』を患部に注射することで、汗を減らす作用があります。発汗の量によりますが、半年間から1年程度の効果があります。ワキの汗については保険適用になっていますが、ワキ以外の部位は保険適用外です



*汗の分泌を促す『交感神経を手術で遮断』

重症の手の多汗症では、汗の分泌を促す胸部交感神経を手術で遮断することによって汗を抑える手段が行われることがあります。有効性は高いですが、他の部位の汗が増える『代償性発汗』が生じることが多く、最近ではそれが起きにくい方法も導入されつつあります」(脇田先生)



今は、いろいろな治療法やお薬があるのですね。



「汗っかきで恥ずかしい、自分の汗が臭っているのではないかと不安など、汗に関する悩みは他人に相談することが難しく、一人、悶々と悩んでしまうこともあるかもしれませんね。でも最近は、その人の症状にあった『さまざまな汗の治療』ができるので、まずは一度、クリニックに相談してみるのが良いと思いますよ」(脇田先生)



汗の量や汗の臭いに不安があると、自信をもって人前に出られなかったり、ワキ辺りをいつも気にしてしまったりと、イキイキとした女性でいることが難しくなってしまうことも…。でもこれからは、積極的に自分の汗と向き合って、気になる汗の悩みを撃退してみませんか?



<参考>

※1:斎藤博『多汗症 全身性多汗症と限局性多汗症.発汗学』23.25-31.2016

※2:上條義一郎『臨床スポーツ医学・発汗のメカニズム』34.362-366.2017

※3:水野紗耶香他『加齢に伴う女性の頭皮臭の変化について』日本味と匂学会誌22(3),P429-432,2015

※4:望月佑次 他『加齢に伴う女性の体臭変化に関する研究』日本味と匂学会誌pp.S97-S100




■監修

脇田 加恵 先生

スキン・ソリューション・クリニック 院長/皮膚科専門医

ドクタープロフィール


 



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